「油=健康」は本当?知られざる胃腸への負担

🥄 いつの間にか“油まみれ”の私たちの食卓

 

「良い油だからたくさん摂っても大丈夫!」

そんな言葉を信じて、オリーブオイルをサラダにたっぷり。亜麻仁油を毎朝スプーン1杯。揚げ物も罪悪感が薄れるように見えて…。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?
私たちの身体が本来“処理できる油の量”には、限界があるんです。

 

 

🏭 戦後の“油の輸入”が食生活を変えた

 

戦後の日本は、アメリカからの小麦や油などの輸入(PL480条)によって、急激に欧米化された食生活へとシフトしました。


この中には“食用植物油”も含まれており、当時の「フライパン運動」によって炒め物文化が一気に広まりました。

もともと日本の家庭では、油は非常に貴重で、大切に使われていた存在。


でも、安価で手に入る精製油が普及し、「たくさん使っても平気」という誤った感覚が根付いていきました。

 

 

🧬 精製油と“分解能力”のギャップ

 

植物由来の油は、少量であればビタミンEや脂肪酸などの栄養源になります。
しかし、市販の食用油の多くは、脱臭・脱色・精製された加工油。

このような油は酸化もしやすく、しかも軽くて扱いやすいため、つい使いすぎてしまうんです。

実際には、炒め物、揚げ物、ドレッシング、タレなどで日常的に油を摂取しており、胃や腸にはかなりの負担がかかっています。


とくに胃は油を感知すると、胃酸を多く分泌して食べ物を分解しようと働きます。これが過剰になると、逆流性食道炎胃もたれ、胸焼けの原因になり、さらには食道がんリスクへとつながることも。

 

 

💢 油が腸に与えるダメージとは?

 

胃だけではなく、腸への影響も深刻です。


▶ 脂質の多い食事で下痢を引き起こす

唐揚げなどの揚げ物、ソーセージやベーコンなどの加工肉は、消化しにくい脂質を多く含みます。
これらを摂りすぎると、消化不良を起こしやすくなり、食後の下痢や腹痛、過敏性腸症候群(IBS)の引き金になることもあります。


▶ 酸化した油に含まれる有害物質

酸化した油には、ヒドロキシノネナール過酸化脂質といった有害物質が含まれます。これらは腸を刺激し、下痢、嘔吐、腹痛、頭痛といった体調不良を引き起こす可能性があります。


▶ トランス脂肪酸は腸内環境を悪化させる

マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、腸内の善玉菌の働きを阻害し、便秘や肌荒れ、免疫力の低下などにつながるとも言われています。

腸は「第二の脳」とも呼ばれる重要な臓器。油の質と量を意識することが、腸の健康を守る第一歩です🧠✨

 

 

🧘♀️ 油との“上手な付き合い方”を見直そう

 

油を完全に避ける必要はありませんが、摂取量や摂り方を少し意識するだけで、胃腸の負担をぐっと軽くすることができます💡


✅ 調理法を工夫しよう

 

油を使わずに美味しく調理する方法はたくさんあります!

 

・蒸し料理(蒸籠・蒸し器で野菜や魚をふっくら)

・低温調理(炊飯器や低温調理器でじっくり火入れ)

・圧力鍋(短時間でも柔らかく仕上がる)

・グリル・オーブン調理(表面カリッと、中はジューシー)

 

これらの方法なら、油をほとんど使わずに美味しさも栄養もキープできます✨


✅ 食材から“自然な油”をいただこう

 

油を摂るなら、酸化しにくい形で自然に含まれている油がおすすめ。

 

・🐟 青魚のDHA・EPA(抗酸化力があり、胃腸にやさしい)

・🥩 肉に含まれる飽和脂肪酸(調理過程で油を足さなくてもOK)

 

ちなみに、これらの油は毎日の食事で自然と必要量が摂れるため、わざわざ“良い油”をかけ足す必要はありません👍

 

 

✨ おわりに

 

“良い油”だからといって、たくさん摂れば良いというわけではありません。
油はあくまで“脇役”。
胃腸がしっかり消化できる範囲で取り入れることが、健康のカギです🔑

油の使い方をちょっと見直すだけで、胃腸がホッと一息つけるかもしれません☺️
今日から「油のリセット」、始めてみませんか?

 

 

🖋参考文献・出典

・農林水産省:植物油の生産と流通の歴史

・農政ジャーナル:PL480条と戦後の食糧事情

・国立がん研究センター:食道がんのリスク要因

・日本消化器病学会・消化器内視鏡学会

・日本脂質栄養学会報:脂質の酸化と健康リスク

 

 

 

ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。